韓国警察は7日、日露戦争(1904~05年)で、金塊を積んだまま朝鮮半島沖で沈んだロシア軍艦を引き揚げるとうたい、資金を募っていた韓国企業「シンイルグループ」を詐欺容疑で家宅捜索した。警察はグループ幹部らの出国を禁じ、調べを進める方針だ。
沈没船に金塊1兆円分? 韓国企業が主張、詐欺の疑いも
軍艦は1905年に沈んだロシア・バルチック艦隊所属の巡洋艦ドミトリー・ドンスコイ。グループは先月、ドンスコイの船体を発見したとして引き揚げ計画を発表。「150兆ウォン(約15兆円)相当の金塊が積まれている」と宣伝し、系列企業の株価が急騰した。
グループは仮想通貨を使った資金集めも行ったが、その後、海洋水産省に提出した書類では金塊の価値を「12億ウォン(約1億2千万円)」と修正するなど、説明が二転三転。韓国メディアは「そもそも船体を発見したかどうかも疑わしい」と指摘していた。(ソウル=武田肇)