日本最南端の代表校にとっても、今年の暑さは特別だ。9日に初戦を迎える興南(沖縄)の選手も万全の対策で大会に臨んでいる。
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「沖縄より暑いなんて」。1日にあった甲子園見学。仲村匠平主将は「たった15分でこんなにぐしょぐしょになるとは」と汗を拭った。
今夏は各地で過去最高気温を更新した。だが沖縄の気温は平年並み。7月の平均気温は那覇市の28・3度に対し、大阪市は29・5度。沖縄が平年より0・6度低く、大阪が2・1度高いため逆転した。7月の最高気温も那覇の33・1度に対し、大阪は38度だった。
開会式があった8月5日の大阪の最高気温も36・8度まで上がったが、那覇はそれより低い32・3度。我喜屋優監督(68)が「避暑地」と言うほど、沖縄の方が涼しくなっていた。
興南はこれまでも夏に向けた暑さ対策をしてきた。練習中は常に練習着の下に長袖のシャツを着用。春先には雨ガッパを着込んで暑さに慣れてきた。練習中の水分補給にも気を配る。
だが今年は特別だ。「あまり生徒を甘やかさない」と室内の冷房を弱めることもある我喜屋監督に、指導陣が許可を取って練習中に氷水を入れたバケツを置くようにした。
練習中にはグラウンド脇に四つのバケツを置く。氷が溶けると、アイスボックスから氷を投入。選手たちは手や顔を冷水で洗ってリフレッシュしている。
もっとも、50年前にも選手として甲子園へ出場した経験のある我喜屋監督は「真夏の祭典だから、昔から暑くて当たり前。それは相手も同じでしょ」と話している。(宮野拓也)