第100回全国高校野球選手権記念大会の初戦を前に、仙台育英(宮城)の選手たちは11日、兵庫県西宮市のグラウンドで最終調整をした。目指すは「日本一」。ベンチ入りする選手18人の隣で、ほかの部員たちも同じ気持ちで汗を流した。 バーチャル高校野球で甲子園の全試合をライブ中継 夏の甲子園、歴代最高の試合は? 投票ベストゲーム 対戦相手の浦和学院は、タイプの違う4投手が要。この日の打撃練習では、それぞれの特徴に合わせて、背番号のない3人の投手が投げ、選手たちは全力でバットを振った。初戦で記録員を務める宗形夢輝君(3年)は、疲れが見える選手に「休憩じゃないぞ!」と外野から発破をかけた。 走塁練習では、選手たちが進塁のタイミングを計った。ほかの部員は守備を担い、泥だらけでボールを追った。一塁手の日野峻明(しゅんめい)君(3年)は、汗だくで捕球し、二塁へ送球し続けた。もともと投手志望でエースナンバーを夢見たが、2年生の春に練習試合で制球が乱れ、投げる感覚を失った。一時は部をやめようと思ったが、仲間や須江航監督に励まされた。「みんなには悔いを残さないように全力でやってほしい」 種谷陸君(3年)は、ノックをする監督の横で「キャッチャー、捕るだけだぞ」と指示を飛ばした。宮城大会で初めて背番号をもらって代走で出場し、甲子園ではボールボーイに。規定で声はかけられず、一緒にガッツポーズもできないが、「チームを支えることは変わらない」と笑う。 練習後、主将の阿部大夢君(3年)ら選手たちは「ありがとう。ナイスピッチングだったわ」と部員たちに声を掛けた。毎日練習を支えてくれた仲間に「勝ち」で恩返しをしたい。阿部君は「『尽くしてよかった』と思ってもらえる試合にしたい」と意気込んだ。 初戦は12日、午前10時半プレーボールだ。(窪小谷菜月) |
背番号ない仲間が練習の支え「勝って恩返し」仙台育英
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