(17日、DeNA7―5広島)
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右へ、左へ、横浜の夜空に白球が舞った。DeNAの筒香、宮崎、ソトが3者連続アーチ。敗色濃厚の展開に追い詰められた男たちが土壇場で輝きを放った。
重たい雰囲気を、まず筒香が変えた。3点を追う八回。大和、柴田、ロペスが3連打で無死満塁に。この好機に主将の胸が熱くなった。「前の選手が必死につないでくれた。何としても走者をかえしたかった」。広島は好投していた野村から一岡にスイッチ。その初球、ひざ元に投じられた直球を弾丸ライナーで右翼席へ運び、今季初の満塁弾で試合をひっくり返した。
その筒香を満面の笑みで迎えた宮崎が続く。「筒香が打った後だったので緊張した」。それでも、リーグの最多安打を放っているバットマンが3球目の直球を今度は左翼席へ。最後はソトが初球を左翼へ運び、3人で計5球の間にホームランショーを完結させた。
試合後のベンチ裏に、「去年の8月を思い出した」というチーム関係者の声が響く。昨年8月22日の広島戦。3点差の九回に筒香、ロペス、宮崎の3連発で逆転サヨナラ勝ち。さらに翌日も、翌々日も広島に3戦続けてサヨナラで勝った。首位を相手に劇的な3連勝で勢いをつかみ、チームはクライマックスシリーズ進出へ突き進んだ。
残り39試合。「昨年はあれがターニングポイントだった。今年は、今日がその日になる」とラミレス監督が言えば、殊勲打の筒香は「明日がすごく大事」。真夏の夜の夢、再現なるか。(波戸健一)