(17日、アジア大会水球女子 中国12―8日本)
水球女子で2連覇中の中国に挑んだ前回2位の日本は、4点差のスコア以上に力の差を見せつけられた。
開始約3分でカウンターから失点。第2ピリオドまでに1―6とリードされた。相手が疲れた最終第4ピリオドに坂上の2得点などで追い上げるのが精いっぱい。攻守の切り替えや固められた守りを崩すシュート力の差は歴然だった。
本宮監督は「前半から泳ぎで引き回されてしまった」。13人中7人が180センチ台の中国に対し、日本は173センチのGK塩谷が最高。体格的に不利な状況で上回らなければいけない泳力でも差をつけられた。
チームが揺れた中で迎えた一戦だった。7月、コーチの叱責(しっせき)や男子日本代表監督のSNSでの批判に動揺した選手たちが申し出て、強化合宿が途中で打ち切られた。選手たちは「目標の金メダルだけを見て頑張ろう」と誓ったが、この完敗で目標の初優勝は厳しい状況に。試合後は泣き崩れ、取材にも応じなかった。
2016年リオデジャネイロ大会で32年ぶりに五輪に出場した男子に対し、アジア大会出場2回目の女子は五輪に一度も出たことがない。開催国枠を手にした2年後の東京五輪も、「あまりにも世界と実力差があるようでは出してもしょうがない」(日本水連幹部)とまだ出場は確定していない状況だ。
「これが世界との差。戦術的にもまだまだ経験がない」と本宮監督は言う。総当たり戦の残り3試合で存在感を示したい。(照屋健)