戦没者の遺族らでつくる大阪府内6市の遺族会が、府遺族連合会(岡倉三郎会長)を相次いで退会していたことがわかった。一部の市遺族会の会長からは、府遺族連合会の運営に批判の声が上がっている。
府遺族連合会は、府内の市町村や大阪市の区ごとにある遺族会が加わる一般財団法人。57の支部があったが、堺、泉大津、泉佐野、和泉、泉南、阪南の支部にあたる各市遺族会が8月までに退会した。岡倉会長によると、2万人台だった府遺族連合会の会員数は、退会により2万人を切る見通しだという。
堺、泉大津、泉南の会長は、府遺族連合会女性部の運営や資金の使い方に問題があったと指摘する。宿泊を伴う研修旅行で、参加者に自己負担額の数倍を補助した例などを挙げ、改善を求めたが、納得のいく説明がなかったという。
堺市遺族会の池中義徳会長は、戦没者の妻らの寄付が女性部の資金の原資だとし、「貴重な活動資金を浪費するのは見過ごせない。戦争の風化を食い止め、平和を守るための活動にお金を使ってほしい」と話す。
府遺族連合会の岡倉会長は朝日新聞の取材に対し、「使い道は女性部が機関として承認しており、問題ない」と説明。その一方で「苦労して集めたお金であり、第三者の誤解を生む使い方をしないよう注意した。その後、研修旅行は日帰りにした」としている。
府遺族連合会は毎年、沖縄で府…