日曜に想う
安倍晋三首相をしてここまで自民党総裁選に奔走させようとする衝動はいったいどこから来るものなのか。
一つには自らのトラウマがあろう。
今年秋の総裁選に続き、来年春に統一地方選、夏に参院選がある。この道行きは12年前の記憶を呼び起こすはずだ。
2006年秋、ポスト小泉純一郎を争う総裁選で完勝し1回目の安倍政権の船出は順風満帆に見えた。だが郵政民営化の造反組を大量に自民党へ復党させたのが躓(つまず)きの元で内閣支持率は急降下、翌07年春の統一地方選では地方議員選挙で民主党が躍進する。選挙現場の動揺を抑える間もなく、閣僚の失言や不祥事が相次いで夏の参院選で惨敗、体調不良もあって退陣した。さらに衆参のねじれは重くのしかかり、2年後、衆院選で大敗し民主党政権誕生を許した。時の首相は麻生太郎現副総理・財務相である。
それでなくとも12年ごとに統…