教員の負担を減らしながら活動の質を高める目的で導入された部活動指導員。文部科学省は普及に向けて予算を増やす方針だ。うまく回れば心強い存在だが、地域によっては担い手を確保できておらず、課題も残る。
部活動指導員、1万2千人に増員へ 担い手の確保が課題
名古屋市では今年度、市立中学に計200人余りが派遣されている。大学生から教員OBまで年齢層は幅広く、野球やサッカー、吹奏楽など様々な部を担当する。基本的に各学校ごとに確保し、面接などを経て市教委が臨時職員として採用するが、スポーツ指導の経験者などが登録する人材バンク「教育サポーターネットワーク」も設け、学校が希望する人材を現場に送る取り組みもある。
指導にあたるのは月20時間まで。それでも、昨年度に学校に実施したアンケートでは「教員の負担軽減になった」「子どもの技能向上に貢献した」との回答が7割を超えた。市教委は「競技人口が多くないスポーツも含めて大学生などの登録を呼びかけ、今後も拡大していきたい」と話す。
一方、地域によっては、競技や文化活動の経験者も限られ、人材が確保できない例もある。背景には、学校の職員として重みのある責任を負う一方、得られる収入は低いという制度の構造もある。文科省が補助にあたり見積もるのは「時給1600円で週あたり計6時間」。実際に決めるのは各教委だが、フルタイムの収入からはほど遠い水準にとどまる。ボランティアではなく非常勤公務員として雇う仕組みのため、フルタイムの仕事がある会社員や公務員は担い手として想定されていない。
福井県教委は今年度中に県内の…