たん子おばあちゃん、お元気ですか――。広島県内のある女性に宛てられた手紙が、朝日新聞広島総局に届いた。送り主は東日本大震災で被災した男子高校生。震災直後に励ましてくれた「恩人」が西日本豪雨で被災したのではないかと心配し、恩返ししたいと願っている。
岩手県宮古市の高校3年笹原爽志(そうし)さん(17)。2011年の震災当時は小学4年生だった。
3月11日、海岸から歩いて3分ほどの自宅兼飲食店の1階が津波に襲われた。衝撃で柱が折れるなどして建物は全壊したが、両親と弟、妹は無事だった。ただ「将来のために」と小遣いをためた3千円入りの貯金箱が流されてしまった。
そのことが朝日新聞の社会面で取り上げられると、記事を読んだという女性から、小学校宛てに手紙が届いた。
便箋(びんせん)2枚には「大…