ミャンマー最大都市ヤンゴンの裁判所は3日、国軍兵士によるイスラム教徒ロヒンギャの殺害行為に関する取材中に逮捕され、国家機密法違反罪に問われたロイター通信のミャンマー人記者2人に対し、懲役7年の実刑判決を言い渡した。同通信は声明で「ミャンマーの民主化にとって大きな後退だ」と批判した。
判決を受けたのは、ワローン被告(32)とチョーソーウー被告(28)。2人は昨年12月、ヤンゴン市内のレストランで警察官から書類を受け取り、店を出たところで逮捕された。
4月の予審では警察官の一人が、「上司から、記者に書類を渡した後、すぐ逮捕しろと命じられた」と証言。おとり捜査の可能性が高まっていたが、判決はこれには触れなかった。
判決によると、2人は昨年9月に西部ラカイン州で国軍兵士がロヒンギャ10人の殺害に関与した事件の情報や、政府首脳の出張計画などを文書や携帯電話に保存する形で持っていた。だが、判決ではどの情報が国家機密にあたるかは言及されなかった。
弁護側は「非常に残念な判決だ。あらゆる手段を使って主張を貫く」として、控訴する意向を示した。ロイター通信は声明で「違法行為の証拠もなく、判決は(2人から)自由を奪った」と非難した。
判決には批判が相次いだ。ヤン…