自民党総裁選に立候補した安倍晋三首相と石破茂・元幹事長は17日、日本テレビのニュース番組に出演した。総裁選後の人事や森友・加計学園問題などをテーマに論戦を繰り広げた。
特集「安倍×石破 二人が見る日本―自民党総裁選2018」
番組では、石破派に所属する斎藤健農林水産相が「安倍応援団の一人に『石破さんを応援するのなら辞表を書いてからやれ』と言われた」と明かしたことが話題に。
石破氏は「誤った発言だ。党のためにもならない。本当にそうだったとしたら、決していいことだと思わない」と不快感を示したのに対し、首相は「戦いですから、(田中角栄、福田赳夫両氏による)角福戦争のころ、おやじの秘書をしていたから分かっているが、こんなもんじゃない。激しい戦いだった」と回想。「私もいいこととは思っていないが、そういう発言が、今までだんだんヒートアップしてきたら、あったのは事実」とも語った。
また、総裁選後の人事で「応援しなかった議員は干す」との声が首相陣営から出ているとの指摘について、石破氏は「ポストは個人のためにあるのではなく、国民、天下国家のため。そういう発言をしているとすれば党のあり方を考え違いしている」と批判。首相は、橋本龍太郎、小泉純一郎両氏の一騎打ちとなり、橋本氏が勝利した1995年の総裁選を振り返り、「我々は小泉さんを応援した。『お前ら、干してやるぞ』と言われたと、みんな言っていたし、そう報道された。でも、誰が誰に言ったか、事実はなかった」と強調。「今回も誰が誰に言ったかって(いう報道は)ない。そもそも私、そういう(干すような)ことはしていない」と述べた。
加計学園問題では、友人である加計孝太郎・理事長の国会招致の必要性を問われ、首相は「友人を呼ぶかどうか。『総裁だから(招致を)指示しろ』となるかもしれないが、行政府の長が指示していいのか。国会で決める」と述べるにとどめた。石破氏は「加計さんも時間制限を設けることなく、記者会見はきちんとした方が良かった。それが友情」と語った。
この日は夕方から夜にかけて2人そろって各局のニュース番組に出演する予定だ。