(19日、ヤクルト9―4阪神)
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帰り際、三塁側ファウルグラウンドを引き揚げる金本監督に怒りのヤジが投げつけられる。阪神が13年続けてリーグ優勝を逃した現実。前だけを向いてこらえ、ひとり、責任を背負い込んだ。
一回に岩貞が6失点し、流れを失った。2ストライクと投手有利のカウントから青木に同点二塁打を浴び、山田哲に勝ち越し2ラン。その後も大引に追い込んでから安打を許し、西浦には3ランをくらった。怒りを抑え、監督は静かに言った。「先発に頑張ってもらうしかないよね、もう」
優勝を逃した一因はメッセンジャーに続く、軸となる先発投手が出てこなかったことだ。ここ2年安定していない岩貞だけではない。昨季飛躍した秋山が今季は5勝止まり。3日前に勝った藤浪はようやく3勝だ。
打つ方も、リーグ優勝の使者と騒がれたロサリオは不振のため1軍にいない。昨季20発とブレークした中谷は今季、3本塁打にとどまる。先のDeNAとの2連戦で1試合6安打などと大当たりした大山はこの日、4打数無安打。若手が続けて活躍できないのだ。
優勝を逃したことを問われた監督は「ああ、そう。あした、頑張っていくだけです」。最下位からクライマックスシリーズ進出に望みをつなぐ3位まで、はい上がれるか。この日からの20日間で19試合という過密日程が壁となる。3位を逃せば、30年を数えた平成の時代を日本一を一度も経験できずに終えることになる。(笠井正基)