原真人の波聞風問
盛り上がりに欠ける自民党総裁選である。「安倍1強だから」などという理由で納得するわけにはいくまい。安倍晋三首相と石破茂元幹事長の論戦がなぜもどかしいか。それは財政の不都合な真実も現実的な未来図もまったく語られていないからではないか。
先週末の総裁選討論会で、首相はアベノミクスのもとで税収も雇用も増えたことを誇り、「(2回の)消費税延期も正しかった」と強調した。石破氏からは財政金融政策について強い批判はなかった。昨夏、内閣支持率が低迷したころ、自民党有志の反アベノミクス勉強会に出て「これから日本が迎える状況は極めて危機的。言うべきことを言わないのは自分の取るべきやり方ではない」と語っていた。あの迫力はどこへいったか。
日本はいまや敗戦時なみのひど…