北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長は18日夜、南北首脳会談で平壌を初めて訪問した韓国の文在寅(ムンジェイン)大統領を夕食会や芸術公演でもてなした。
平壌共同取材団によると、歓迎夕食会は、平壌の中心街にある迎賓館「木蘭館(モンランカン)」で開かれ、両首脳は中央のテーブルに並んで着席。会場には朝鮮半島の統一地図が掲げられ、ニンジン酒や平壌焼酎、ワインなどのお酒に、七面鳥や刺し身、フカヒレのスープ、焼きマツタケなどといった豪華な食事が用意された。
正恩氏は乾杯のあいさつで、「民族の前で約束した板門店宣言の履行のため、民族繁栄の新しい歴史をつないでいこうという固い気持ちを抱き、平壌を訪問した大統領夫妻を熱烈に歓迎する」と話した。
文氏は正恩氏の歓待に応えるように、「(平壌を訪問して)科学と経済を発展させ、住民の暮らしを良くしようとする金委員長の指導力と成果を知ることができた」と持ち上げた。
文氏は非核化について、「金委員長と私には信頼と友情がある。乗り越えられない困難はない」と述べ、親密さをアピールした。
夕食会に先立ち、平昌五輪の祝賀イベントとしてソウルなどで公演した三池淵(サムジヨン)管弦楽団の公演も、平壌大劇場で行われた。文氏夫妻のほか、随行した韓国政府や経済界の関係者らも招かれた。文氏夫妻と正恩氏夫妻は特別席に並んで鑑賞。室内アナウンスで文氏の来場が伝えられると、観客席から、「万歳」「万歳」の連呼が数分間続いた。
公演中には、舞台後ろの画面に、平昌五輪に出場した女子アイスホッケーの南北合同チームが映し出されるなど終始、友好ムードが演出された。(ソウル=鈴木拓也)