今年3回目の南北首脳会談のため訪朝している韓国の文在寅(ムンジェイン)大統領は20日朝、金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長と中朝国境にある白頭山(ペクトゥサン)に登った。韓国大統領府によると、正恩氏の提案を文氏が受け入れたという。白頭山は古くから朝鮮民族の聖地とされるが、北朝鮮が自国の体制強化に利用してきた経緯もあり、韓国内で議論を呼ぶ可能性もある。
韓国大統領府によると、文氏と正恩氏は別々の飛行機で平壌を出発し、白頭山に近い三池淵空港で合流。車とケーブルカーを使って山頂付近にあるカルデラ湖「天池」に到着した。正恩氏は妻の李雪主(リソルチュ)氏を伴い、専用機を利用したという。
白頭山は、中朝国境にまたがってそびえ、朝鮮民族の発祥の地とされる。中国名は長白山。標高2744メートル。抗日パルチザン闘争を繰り広げた金日成(キムイルソン)主席らの密営があったとされ、当局は金正日(キムジョンイル)総書記もここで誕生したと宣伝。北朝鮮最高指導者の直系血統は「白頭血統」と呼ばれる。「革命の聖地」と位置づけ、体制宣伝に利用してきた。
朝鮮中央通信は昨年末、正恩氏…