フェイスブック(FB)にアウンサンスーチー国家顧問を侮辱する投稿をしたとして、ミャンマーの裁判所は18日、元国営紙コラムニストの男性に禁錮7年の実刑判決を言い渡した。ミャンマーでは今月、少数派イスラム教徒ロヒンギャ問題を取材していたロイター通信記者が実刑判決を受け、報道の自由が侵害されたと批判が集まっていた。
裁判所などによると、判決を受けたガーミンスエ氏(60)は今年7月、自らのFBアカウントに、2012年にミャンマーを訪れたオバマ前米大統領がスーチー氏のほおにキスをする写真を投稿した上、スーチー氏を中傷する文章を書き込んだことが、「扇動罪」を犯したとされた。同罪は政府に悪意のある記述や発言をした場合、最大で禁錮10年や罰金の刑を受ける。英植民地時代につくられ、軍政時代にメディア迫害に使われてきた。
ガーミンスエ氏は軍事政権下で国営紙のコラムニストとして、軍政に反対するスーチー氏への批判記事を書いていた。スーチー氏率いる国民民主連盟(NLD)が政権をとってからも、政府に厳しい意見をFBに投稿していたという。
ミャンマーでは9月3日、国家機密情報に触れたとしてロイター通信のミャンマー人記者2人が懲役7年の刑を受けた。記者2人は国軍のロヒンギャ殺害事件を追っていた。人権団体などが「スーチー氏の下でメディアへの圧力が強まっている」と批判していた。(バンコク=染田屋竜太)