昨秋に傷害事件を起こして引退した大相撲の元横綱日馬富士(34)=本名ダワーニャム・ビャンバドルジ=が第二の人生を歩み出す。今月故郷モンゴルで学校を開校し、両国の懸け橋となる人材育成に力を注ぐ。今月30日の引退断髪式(東京・国技館)を前に、「18年間皆さんの支えでやってこられた。感謝の気持ちでいっぱい」と話す。
相撲特集:どすこいタイムズ
日馬富士は自ら描いた油絵二十数点を集めた絵画展を東京・銀座で20日まで開催。オープニングに先立ち、取材に応じた。
首都ウランバートルの「新モンゴル日馬富士学園」は幼稚園から高校までの一貫校で、生徒740人、教師・スタッフ70人の規模という。相撲や柔道などスポーツを通じ、「勝つ喜びや思いやる心、耐え忍ぶ力を教えたい」と話す。
モンゴルを母国(ははぐに)、日本を父国(ちちぐに)と呼ぶ日馬富士は、日本の育成、礼儀、マナーに感銘を受けた。「教育を通じて両国に恩返しがしたい」と、4年前に学校設立を思い立ったという。
美術の授業では自ら教壇に立つことにも意欲を示す。油絵は現役時代から続く趣味。場所の序盤で負けが込んだ際に自分自身と向き合おうと描いた作品が、大きな綱が富士山を巻く代表作「横綱」になった。
「絵をあげたい力士は?」の問…