西郷隆盛が大久保利通の肩を抱く像が22日、鹿児島県出水市に登場した。ともに鹿児島に生まれ、力を合わせて明治維新を成し遂げながら、たもとを分かった2人。火山の噴出により堆積(たいせき)した火山灰や軽石でできた「シラス」を固めた像のタイトルは、「永遠の友情」だ。
像は、同市の武家屋敷群「出水麓(ふもと)」一帯で開かれている「シラス像パーク」の展示作品。地元の造形作家、吉野弘一さん(64)が昨年末に制作した西郷像に、大久保を加えた。
大久保らとの意見の相違から、西郷は明治政府を去り、その後の西南戦争で2人は敵同士の立場になった。22日の披露式典で、燕尾(えんび)服姿の大久保にふんして除幕した吉野さんは「親友だった2人の友情を形にしたかった」と話した。(城戸康秀)