(28日、プロ野球 中日4―3阪神)
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九回2死二塁、本拠ナゴヤドームに「岩瀬」の大合唱がこだまする。糸井をスライダーで遊ゴロに仕留めると、マウンド上の岩瀬にナインが駆け寄り、祝福の輪をつくった。
「まさかここまで来るとは思わなかった。長い道のりでした」。1999年4月2日の初登板から20年目。史上初の1千試合登板を達成した球界最年長左腕はお立ち台で声を詰まらせた。
2005年から9年連続で30セーブ以上を挙げるなど、守護神としてチームの黄金期を支えた。
仲間たちが口をそろえるのが身体の強さだ。浅尾は「単純計算でも50試合登板を20年続けないと届かない。それだけ、けがをしなかったということ」。
そんな強靱(きょうじん)さは一朝一夕にできるわけではない。日々のルーティンをおろそかにせず、試合前練習でダンベルを使った肩回りの強化など、ひたすら地道な努力を続けてきた。
「体に染みこんでいる。これをやれば維持できるという感覚でやってきた」と言う。14年まで中継ぎとして活躍し、現在、球団広報の小林正人さんは「自分なら『今日はこれくらいでいいか』と思う時も、岩瀬さんは一切妥協しなかった」と話す。
43歳。すでに今季限りで現役を退く決意を固めている。「まだ試合がある。最後まで頑張りたい」。積み重ねたセーブはこの日で407になった。気力を振り絞り、今季を全うする。(鷹見正之)
○森監督(中) 岩瀬について「想像出来ないくらいの年数を投げてきた。頭が下がります。勝ちゲームで岩瀬を登板させる状況をつくってくれた選手たちに感謝したい」。