韓国と北朝鮮は1日、9月の南北首脳会談で合意した軍事分野の緊張緩和策の「最初の履行措置」として、南北軍事境界線をまたぐ板門店の共同警備区域(JSA)で、地雷を撤去する作業を始めた。韓国国防省が明らかにした。
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文在寅(ムンジェイン)大統領と金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長が署名した軍事分野合意書は「すべての敵対行為の中止」を確認し、分断の象徴とされてきた板門店一帯を10月中に非武装化することなどで合意した。韓国側は工兵部隊を投入し、監視塔周辺や茂みなどに仕掛けられた地雷の探査に着手したという。
また、南北の軍事当局は、韓国北部の江原道鉄原周辺の非武装地帯(DMZ)でも地雷の除去作業を始めた。朝鮮戦争中にDMZ内で亡くなった兵士の遺骨の共同発掘を行うとした合意を履行する準備の一環だ。
一方、文氏は韓国軍の創設70年となる「国軍の日」を迎えた同日、米国が1996~2005年に北朝鮮で実施した朝鮮戦争戦死者の発掘作業で見つかった遺骨のうち、DNA鑑定で韓国兵と判明した64人分の遺骨の返還を受ける式典に参加。その後、韓国軍関係者を招いた行事で、北朝鮮との対話を通じた恒久平和実現のためには引き続き「堅固な国防が重要」とし、在韓米軍を要とする米韓同盟の重要性を強調した。ただ韓国は今回、5年ごとに「国軍の日」で開いてきた軍事パレードを取りやめ、保守派は「北側への過度な配慮」と批判している。(ソウル=武田肇)