(6日、フィギュアスケート・ジャパンオープン)
4分間の演技を終えた宇野昌磨(トヨタ自動車)は小さく何度もうなずいた。国際スケート連盟主催大会ではないため非公認ではあるが、ルール改正後の男子フリーで世界最高得点となる186・69点を挙げた。それでも、こう言った。「よかったかと言われると答えづらい」
今季、難しいジャンプを多く跳ぶことより演技全体のバランスを重視しようとルールが変わった。男子フリーの演技時間は30秒短縮され、ジャンプは1本少ない7本に。4回転は基礎点が下がり、出来栄え点(GOE)が7段階から11段階になったため、失敗した時のリスクが大きくなった。
宇野は平昌五輪と同じ4本の4回転を跳び、今季初戦のロンバルディア杯と同じく序盤の2本を失敗した。サルコーは回転不足と判定され、続くフリップは転倒した。この2本の合計点は8・8点にとどまった。
だが、平昌五輪銀メダリストは立て直せる強さがある。4回転トーループ2回転トーループの連続ジャンプ、トリプルアクセル(3回転半)からの3連続は、GOEで加点の評価を引き出した。「最初の2本は失敗したけれど、その後はなんとか着氷できた。最後まで諦めない気持ちと、練習の成果は出せた」。日本を2年ぶりの優勝に導く原動力となった。
次戦は、今月下旬にあるグランプリシリーズ第2戦のスケートカナダ。「オフシーズンはけがなく練習でき、例年よりいい調整ができている。これから一つでも多くよかったと思える演技をしていきたい」(浅野有美)
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織田信成 「ヤングマン」などの曲を採り入れた構成で場内を沸かせる。「お客さんと盛り上がりたいと思っていた。その目標を達成できてうれしい」
ネーサン・チェン(米) 昨季の世界選手権王者はミスが響いて男子4位。「自分の弱点を見極められ、今後に向けてどう強化すればいいのかわかった」