高校野球の秋季神奈川県大会の準決勝が6日、平塚市のバッティングパレス相石スタジアムひらつかであり、横浜が小泉龍之介(2年)の逆転サヨナラ本塁打で慶応に2―1で勝利した。また、桐蔭学園が10―2の7回コールド勝ちで厚木北に勝った。勝った2校は関東大会に出場する。桐蔭学園の秋季関東大会出場は9年ぶり。
動画もニュースもたっぷり! 「バーチャル高校野球」
プロ注目の左腕及川(およ・かわ)の踏ん張りがサヨナラ勝ち呼ぶ
横浜は制球が良い慶応の先発田口義将(2年)に八回まで5安打を放ちながら無得点に抑えられていた。2併殺や走塁ミスなどでチャンスを逃していた。横浜の平田徹監督は「勝っているのが不思議なくらい。攻撃の内容を見れば反省が9割9分」と話した。唯一ほめた点は最速152キロを計測するプロ注目のエース左腕・及川(およ・かわ)雅貴(2年)の粘投だった。
「各打者の弱点をしっかりつけた」と及川は振り返った。低めのスライダーと高めの強烈な直球を使って9回を投げきり、12奪三振を記録。七回に自らの一塁への悪送球や暴投でピンチを広げ、適時打で1点を失ったが後続を連続三振に仕留めた。結局、1失点にとどめたことがサヨナラ勝ちにつながった。
及川には新チームの軸として平田監督から大きな期待を寄せられており、「最上級生としてプレーでも私生活でもチームを引っ張っていきたい」と語った。現在の2年生では大船渡(岩手)の佐々木朗希や創志学園(岡山)の西純矢、星稜(石川)の奥川恭伸、木更津総合(千葉)の根本太一、日大三(東京)の井上広輝ら好投手が多くいる。及川もその世代を代表する投手の一人だが、現在は球のキレをさらに上げるためにフォームを改造中でまだまだ伸び盛りだ。(坂名信行)