インドネシア国家防災庁(BNPB)は9日、9月末に起きた中部スラウェシ島の大地震・津波で2010人の死亡を確認したと発表した。確認された行方不明者は671人いるとしたが、行方不明者が計5千人との情報もある二つの地区での捜索を11日で打ち切ることを決めた。
BNPBの発表によると、犠牲者の約8割は、被害の大きかった島中部パルに集中している。身元不明の遺体も多く、半数近くが共同埋葬された。約6万7千戸が損壊し、7万4千人以上が避難生活を送っているという。8700人以上が地元の州の外に避難した。
一方、地滑りと土地の隆起が同時に起き、壊滅状態となったパルの二つの地区では不明者の捜索が難航している。地元当局からBNPBに報告された不明者数は、計5千人になる見通しだというが、BNPBは捜索を11日までと決めた。報道官は「不明者の発見が難しく、感染症が広がる可能性もあるため」と説明した。(ジャカルタ=野上英文)