国際刑事警察機構(ICPO、本部・仏リヨン)の孟宏偉前総裁(64)=7日に辞職=が中国帰国後に失踪していた問題で、中国公安省は8日、孟氏を収賄などの容疑で捜査していることを明らかにした。国際機関の重要ポストを押さえ影響力拡大を図る中国の戦略がつまずいた形だが、それでも優先すべき国内の政治事情があった模様だ。
「世界の笑いものだ」「今後、中国人が国際組織の要職に就くのは難しくなるだろう」
9日、中国のネット上では孟氏の失脚について、こんな書き込みが相次いだ。
詳しい容疑は不明だが、公安省は8日、幹部会議を開き、「完全に自業自得だ」と孟氏を激しく非難。習近平(シーチンピン)国家主席らと対立し、4年前に失脚した元共産党最高指導部メンバーの周永康(チョウヨンカン)受刑者(収賄罪で無期懲役)に触れて「その悪影響を一掃する」とも指摘し、党内の政治的背景があったことを明らかにした。
孟氏は周受刑者が公安相時代に…