(9日、プロ野球 DeNA4―1ヤクルト)
プロ野球・DeNAが3年ぶりにBクラスへ転落し、クライマックスシリーズ(CS)出場を逃した。残り2試合で臨んだ9日のヤクルト戦。4―1で勝利したが、1ゲーム差で追っていた3位の巨人が阪神に勝ち、10日の最終戦を待たずに4位が確定した。
七回を終えた神宮の電光掲示板に、「巨人9―4阪神」という甲子園球場の途中経過が映し出された。甲子園の試合はすでに八回。レフトスタンドを埋めたDeNAファンは静まりかえり、三塁側ベンチの選手たちもぼうぜんと見つめた。
九回の守備では、3点リードで守護神の山崎康晃が登板。この守りからベンチに下がった筒香嘉智ら選手全員がベンチの最前列に立ち、身を乗り出して声を出した。2位を確定させている6連勝中のヤクルトを6人の継投で1失点に抑え、打ってはソトがリーグ独走の41号ソロ本塁打を放っての快勝。スタンドからは「最後までよくやった」の声援も飛んだが、マウンドでタッチを交わした選手たちに笑顔はなかった。
9月16日に最下位だったチームは、そこから猛追を見せた。3カ月連続で負け越した6、7、8月がうそのように、9月は13勝8敗で巻き返し。一時は3位のCS圏内まで戻ってきた。だが、残り6試合からヤクルトと阪神に喫した3連敗が痛かった。ラミレス監督は「自力で3位に入るチャンスはあったが、それを失った。前の試合(広島戦)と今日はしっかり勝てたが、その前の連敗のダメージが大きかった」と振り返った。
主将4年目の筒香は「選手、スタッフは、みんな一生懸命やった。オフが大事になる。みんなでまたやり返したい」。この日でリーグ独走の37セーブ目を挙げた山崎は「自分自身で言えば夏場の低迷が悔やまれる。Aクラスを目指してやってきたので悔しい」と肩を落とした。
就任3年目で初めてCSを逃したラミレス監督は「みんながベストを尽くした結果。誰が良くなかった、ここが悪かったという話ではない」とし、自身の去就については「今年の結果は責任を取らないといけない。シーズンが終わってから、球団の上の皆さんと話をする機会があると思う」と話すにとどめた。(波戸健一)