マレーシアのアンワル元副首相(71)が13日、下院議員補選で当選し、3年ぶりに政界復帰を果たした。同性愛行為の罪で3年にわたり服役したアンワル氏は、かつて対立したマハティール首相と和解し今年5月の総選挙で共闘。マハティール氏は2年以内にアンワル氏に首相職を譲ると公言しており、下院議員資格を得たことで「禅譲」への道が開けた。
補選は同国中部ネグリセンビラン州ポートディクソン選挙区で行われた。アンワル氏が所属する人民正義党(PKR)の下院議員が辞職したことに伴う選挙だ。公式集計によると、アンワル氏は次点候補に4倍以上の差をつけた。
アンワル氏は1998年、当時も首相だったマハティール氏と対立。副首相を解任され、同年に同性愛行為の罪などで起訴された。その後、野党指導者として「改革派の旗手」と人気を集めたが、2008年に再び同罪で起訴され、15年に有罪判決を受け服役した。
補選にはアンワル氏を同罪で告発した当事者の元事務所スタッフらも立候補したが、アンワル氏は他候補を大きく引き離した。(シンガポール=守真弓)