オーストラリアのモリソン首相は16日、イスラエルの首都をエルサレムと認め、豪州の大使館を商都テルアビブから移転することを検討すると明らかにした。イスラエルとパレスチナが将来、国家として共存する「二国家解決」を支持する姿勢は変えないとしているが、移転となれば、米国に追随する動きとなる。
モリソン氏は、イスラエルの首都を西エルサレムにするとともに、パレスチナの将来の首都を東エルサレムにするという考えを「今後数カ月、閣僚間や、各国の指導者たちと協議する」と表明。二国家解決へ進展がみられないことを理由に挙げた。「米国から要求されておらず、米国と協議もしていない」とも述べた。
移転案は、デーブ・シャルマ前駐イスラエル豪大使の提案だったと説明。シャルマ氏は、ターンブル前首相の議員辞職に伴うシドニー東部の下院選挙区の補選(20日投開票)に与党自由党から立候補しているが、苦戦が伝えられる。シャルマ氏が敗れると、与党は上下院とも過半数割れとなる。同選挙区はユダヤ系の人口が約13%を占めるため、野党労働党のウォン「影の外相」は16日、「過半数を維持するために外交政策を変えようとしている」と批判した。
イスラエル首相府によると、モ…