昨季の最下位から今季は2位。クライマックスシリーズ(CS)のファーストステージで敗れたものの、ヤクルトの「V字回復」を支えたのがスワローズファンの大声援だ。観客動員数は6年続けて右肩上がりに増え、今季は実数発表となった2005年以降で最多。「神宮呑(の)み」をPRするなど、仕事帰りの会社員らの心をわしづかみにした。
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ヤクルトが今季主催した71試合の観客動員数は192万7822人。今月9日の最終戦後のセレモニーでは、小川淳司監督が「選手たちの頑張りの後を押してくれて、CS進出の原動力になったと思います」とファンに感謝し、深々と頭を下げた。
自前の球場を持っていないヤクルトは、学生野球が優先される神宮球場を本拠にしている。年間約300万人を集める人気球団の巨人と、東京都を保護地域とするフランチャイズがかぶるため、ファン層を絞りにくかった。
ファン獲得に力を入れようと、球団のシステムを改革したのは13年。チケット販売は各種プレイガイドを通していたのをやめ、球団公式チケット販売サイト「スワチケ」を導入した。パ・リーグの球団が先行していた自社でのチケット販売を採り入れることで、どんなファン層が来ているのかを把握できるようになったほか、手数料の負担も減り、ファンはインターネットを通じて好みの席を買えるようになった。
■ターゲットは…