堺市で多量のインスリンを父親に注射して殺害したとして、殺人容疑などで逮捕された建設会社長の足立朱美容疑者(44)=弟に対する殺人罪で起訴=が、事件前にインターネットで「インスリン」や「低血糖」などのキーワードで頻繁に検索していたことが捜査関係者への取材でわかった。大阪府警は事前に情報収集をしていた疑いがあるとみている。
「おとんにインスリン打った」 容疑者が「遺書」偽装か
捜査関係者によると、こうした検索履歴が確認されたのは足立容疑者のパソコンやスマートフォンで、1月上旬以降、頻繁に検索していた形跡があった。
死亡した父親の富夫さん(当時67)は、糖尿病を患い、インスリンを常用。家族の府警への説明では、富夫さんは日ごろから機械で自身の血糖値を測定するなどしていたという。ところが、足立容疑者がこうした検索をした後の1月20日と同26日に低血糖状態で倒れ、2度目は意識が回復しないまま死亡した。
2度とも足立容疑者が富夫さん方を訪問し、遺体からは足立容疑者に処方されていた睡眠導入剤の成分も検出。府警は足立容疑者が事前にインスリンの性質を調べ、睡眠導入剤で眠らせた上でインスリンを摂取させたとみている。
◇
府警は18日、足立容疑者を殺人と殺人未遂の疑いで大阪地検に送検した。