大阪市発注の電気工事をめぐる官製談合・汚職事件で、入札情報を漏らしたとして大阪地検特捜部に逮捕された市職員1人について、大阪地裁は27日までに、検察側が求めた勾留延長を取り消した。特捜部の勾留関連の請求を退けるのは異例で、裁判所が身柄拘束に慎重な姿勢を改めて示した形だ。
入札勧誘「まさか談合だなんて」 大阪市汚職の巧妙手口
勾留延長が取り消され、釈放されたのは、市建設局職員坂東浩樹容疑者(45)=兵庫県芦屋市。特捜部は27日、電気工事会社経営の白木京介容疑者(48)=大阪府吹田市=に市発注の電気工事入札3件で非公開の入札情報を漏らしたとして官製談合防止法違反罪などで在宅起訴した。
大阪地裁によると、逮捕後10日間認められた勾留が満期となる今月17日、地裁の山根良実裁判官は検察側の請求を受けて勾留延長を決定したが、弁護人が準抗告。長瀬敬昭裁判長が21日付で決定を取り消した。
一方、坂東容疑者とともに逮捕された同局職員青木伸一容疑者(45)=大阪市=と白木容疑者の勾留は延長された。特捜部は27日、青木容疑者が14年12月~18年10月、市発注の電気工事29件の入札情報を白木容疑者に漏らした見返りに現金や自動車など30回、計約900万円分を受け取ったとして同法違反や加重収賄などの罪で起訴した。関係者によると坂東、青木両容疑者は黙秘し、白木容疑者は起訴内容を認めているという。
特捜部は3容疑者らに逮捕前から任意の事情聴取を繰り返しており、地裁は坂東容疑者について証拠隠滅や逃亡の恐れなどがなく、勾留延長の必要性はないと判断したとみられる。
全国の裁判所では、勾留請求が…