岩屋毅防衛相は１９日、訪問先のシンガポールで、米国のマティス国防長官、韓国の鄭景斗（チョンギョンドゥ）国防相との３カ国防衛相会談を開いた。米朝間が早期開催で一致した２度目の米朝首脳会談へ調整が続く中、北朝鮮の非核化に向けて日米韓の防衛当局の緊密な連携を確認した。

岩屋氏は冒頭、６月に行われた史上初の米朝首脳会談や、今年３回開かれた南北首脳会談の動きを歓迎し、緊張緩和に向けた取り組みに期待感を示した。一方で「北朝鮮による非核化に向けた今後の動向は、注意深く見ていかなければいけない」と述べ、北朝鮮への制裁を定めた国連安全保障理事会決議の完全な履行が必要だと強調した。マティス氏は、北朝鮮が洋上で違法に物資を積み替える「瀬取り」に言及し「監視努力により外交交渉で優位に立てている」と指摘。鄭氏は非核化に向け、日米韓の連携の重要性を説いた。

日米韓の防衛相会談は、米朝首脳会談後、初めて。東南アジア諸国連合（ＡＳＥＡＮ）と日米中韓などの国防・防衛相が参加する拡大ＡＳＥＡＮ国防相会議（ＡＤＭＭプラス）への出席に合わせて開かれた。（シンガポール＝藤原慎一）