台湾東部の宜蘭(イーラン)県で21日午後4時50分(日本時間午後5時50分)ごろ、台湾鉄道の特急列車「プユマ号」(乗客366人)が脱線した。台湾の消防当局によると、少なくとも18人が死亡、168人が負傷した。脱線の原因は調査中という。
台湾鉄道などによると、脱線現場は宜蘭県蘇澳地区にある新馬駅。線路が右にカーブしており、列車の全8両が脱線し、そのうち5両は横転した。スピードが出ていたという目撃証言もある。地元テレビの映像によると、車両が、折り重なるように横倒しになっている。車両は日本製だった。
日本台湾交流協会台北事務所(大使館に相当)によると、午後10時(日本時間午後11時)時点で、日本人が事故に巻き込まれたという情報はないという。
太平洋に面した宜蘭県など台湾東部は、山や海など自然豊かな観光地として知られる。脱線したプユマ号は、台湾北部の新北市から台北市を経由して、台東市に向かっていた。観光客や、台北に出かけて東部に戻る人々が乗車していたとみられる。
現地報道によると、プユマ号は昨年10月にも台湾東部の花蓮県で脱線した。負傷者はなかった。台湾鉄道ではその他の列車も含め、昨年少なくとも計4件の脱線事故が起きている。
事故発生が夕方だったため、現場の救出作業は夜まで続いた。地元テレビの映像によると、救急隊が投光器を持ち込んで、列車の窓から担架で負傷者を運び出すなどしていた。(台北=西本秀)