青森県つがる市の国道101号で9月、車4台が絡み4人が死亡した事故で、4台のうち1台の乗用車が飲酒運転の上に時速約130キロで暴走し、他の車に次々にぶつかったとみられることが、捜査関係者への取材でわかった。県警は自動車運転死傷処罰法違反(危険運転致死傷)の疑いで、この乗用車を運転していた30代男性から事情を聴く。
犠牲となった女性、目から流れていた涙 4人死亡事故
【事故発生当時の記事】乗用車4台が絡む衝突事故、4人死亡 青森
事故は9月22日午前1時5分ごろ、片側1車線の直線道路で発生。捜査関係者によると、4台は2台ずつ対向して走っていたが、一方の後方から走ってきた乗用車が、制限速度50キロを約80キロ上回る約130キロで前方の軽乗用車に追突し、さらに中央線をはみ出して対向の別の軽乗用車と正面衝突した疑いがある。
乗用車に追突された軽乗用車は道路脇の柵にぶつかって横転し、乗っていた広船淳(じゅん)さん(43)と妻の愛莉さん(30)が死亡。正面衝突された軽乗用車は道路脇の田んぼにはじき飛ばされた。代行運転手の山田春治(はるじ)さん(63)と、客の山田久美子さん(46)が乗っていたがともに死亡した。
山田春治さんの後方には運転代行の同僚の50代男性の軽乗用車が追走していたが、衝突されたはずみで対向車線に飛び出す形になった広船さんの軽乗用車と衝突。男性も軽傷を負った。
最初に追突した乗用車には30代の男性3人が乗っていた。関係者によると、3人は小中学校の同級生で、前日から運転者の自宅でバーベキューをして飲酒。さらに酒を飲もうと別の場所に移動する際に事故を起こしたという。運転者を含む2人が胸などを骨折する重傷、残りの同乗者1人は軽傷を負った。同乗者は朝日新聞の取材に「酔っていて覚えていない」と話した。(板倉大地、仲川明里、中野浩至)