22日午後4時半ごろ、青森市浅虫の海岸で防波堤を歩いていた男性から、「赤ちゃんが海に浮いている」と110番通報があった。駆けつけた警察官らが、防波堤から1メートルほどの海上でうつぶせになっている乳児を発見し、まもなく死亡が確認された。青森県警は事件と事故の両面で捜査を進めている。
県警によると、遺体は生後約2カ月の女児で、5月中旬に30代の母親とともに行方がわからなくなり、30代の父親から捜索願が出ていた。遺体に目立った外傷はなく、死因はわかっていない。ベビー服を着ていて、死後数日とみられるという。
近くの消波ブロック付近では、母親のものとみられるリュックサックが見つかった。携帯電話とおむつなどが入っていたが、母親の行方はわかっていないという。
現場周辺は青森駅の北東約10キロの、ホテルや旅館が集まる温泉街。警察官や消防隊員が海辺を捜索したほか、海上保安庁のヘリや巡視艇も出動し、付近は物々しい雰囲気に包まれた。兵庫県から訪れて近くのホテルに宿泊していた60代の男性は、「防波堤に急に人が集まってきて、えらいことになったと驚いた」と話した。(吉備彩日、仲川明里)