天皇、皇后両陛下は22日、皇居・三の丸尚蔵館で、鎌倉時代に制作され、大規模な修復事業が行われた国宝級の絵巻「春日権現験記絵(かすがごんげんげんきえ)」を鑑賞した。絹が使われた表紙の復元には、皇后さまが育てた純国産種の蚕の糸も用いられた。
この絵巻はやまと絵の技法で描かれた20巻と、付属品の全てが残されており、日本文化を代表する一級品として知られている。修復は13年かけて行われ、一昨年度に完了。天皇陛下は、鮮やかな色をとどめている絵を前に「きれい」と感心した様子で、表紙の前では「よかったね」と皇后さまに声をかけていた。(中田絢子)