政府が外国人労働者の受け入れ拡大のために検討中の新しい在留資格をめぐり、自民党法務部会は23日、対象業種として検討されている14業種のうち7業種の業界団体から聞き取りをした。各団体とも人手不足の実情を訴えたが、出席議員からは受け入れ拡大に慎重な意見が目立った。
聞き取り対象は建設、造船、農業、介護、宿泊、外食、鋳造の7業種11団体。「日本人の若者の確保は難しく、熟練労働者は高齢化している」(造船)、「人手不足で閉店を余儀なくされたり、新規出店を断念したりするケースがある」(外食)などと説明した。宿泊業の団体は、訪日外国人の増加などにより、今後5年間で「2万1千人の外国人スタッフが必要」と訴えた。
一方、出席議員からは政府は技能を持った労働者の受け入れを考えているとして「業界の期待値が合っていない」、「労働力が余れば日本人と仕事の奪い合いになる」などの意見が出た。社会保障費が膨らむことを懸念する意見や、在留管理の強化を求める声もあった。(内山修)