京都府宮津市の商業施設の出店者組合の資金約570万円を着服したとして、京都地検特別刑事部は24日、宮津市議の安達稔容疑者(72)を業務上横領の疑いで逮捕し、発表した。地検は認否を明らかにしていない。市議は逮捕前の朝日新聞の取材に「着服が疑われて心外」と話していた。
地検によると、逮捕容疑は2012年3月から昨年3月にかけて、会長と会計を担当する商業施設「宮津シーサイドマートMipple」の出店者組合の資金を着服したというもの。組合の口座から計19回、市議の個人口座と、市議が代表を務める飲食店運営会社の口座に入金があったことを裏づけたとしている。入金後、市議が私的に使用していたとみて調べている。
市議は昨年6月まで20年間、組合の会長を務めていた。使途がはっきりしない多額の出費があることがわかり、組合側は先月、業務上横領容疑で地検に刑事告発していた。
組合によると、市議側から22日、告発容疑となった額と利息分を合わせ、約600万円を弁済したいと申し入れがあったが、捜査が続いており、使途不明金の総額は5千万円を超えるとして断ったという。
市議は1996年に初当選し、7期目。08年から2年余り議長を務めた。