12日午後2時20分ごろ、京都市山科区勧修寺平田町の市立勧修(かんしゅう)中学校で、市主催の交通安全教室中にスタントマンの中村佳弘さん(34)=福岡県春日市=がトラックにひかれた。京都府警によると、中村さんは約7時間後に搬送先の病院で死亡した。
山科署によると、歩行者役の中村さんが運転手の死角に入り、事故が起きるという想定だった。トラックの前部にぶつかった後、車体の下敷きになったまましばらく引きずられるはずだったが、途中で前部のバンパーから手が離れてしまったという。
中村さんやトラックの男性運転手(38)は、京都市から委託を受けたイベント会社「ワーサル」(東京都渋谷区)が派遣していた。
安全教室は同校のグラウンドで開かれ、全校生徒や地域住民ら約570人が参加していた。生徒の目の前で想定外の事故が起き、教室は事故後に中止した。
市自転車政策推進室の和田長利(ながとし)室長は「中学生がいる場でこのような事故が起きて申し訳ない。イベント会社に原因を聞き、対応を考えたい」と話す。