内戦下のシリアでイスラム過激派組織に拘束され、3年4カ月ぶりに解放されたフリージャーナリストの安田純平さん(44)を乗せた飛行機が25日夕、成田空港に到着した。
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安田純平さん解放、これまでの経緯
安田さんは日本に向かう機内で朝日新聞の取材に応じ「自由になれたのは本当にうれしい。事実上の虐待状態がずっと続いていたので、体力が極度に落ちてしまった」などと話した。黒いTシャツにサンダル姿で、エコノミークラスの通路側に着席。少し疲れたような表情を見せたものの健康状態はほぼ良好とみられ、はっきりした口調で取材に答えた。
安田さんは3年4カ月間の拘束生活のうち、約8カ月間は高さ1・5メートル、幅1メートルの独房に監禁されていたという。「虐待状態がずっと続いていた。精神的な負担もかなりあった」と説明した。帰国後は「まず家族に会いたい」と話した。
安田さんの知人によると、安田さんは2015年6月下旬、内戦の取材のためシリアに向かった。トルコ南部からシリア北西部のイドリブ県に徒歩で渡った後、音信不通になったという。
16年3月に安田さんの拘束が明らかになり、インターネット上に安田さんとみられる男性の動画が投稿された。髪やひげを伸ばした男性が英語で「私はジュンペイ・ヤスダです」「彼らから『メッセージを送っていい』と言われた」などと話した。今年7月にも相次いで2回、安田さんとみられる男性が映った動画が投稿された。(下司佳代子)