21日に名古屋市であったJR東海の株主総会で、同社が進めるリニア中央新幹線工事について質問や懸念の声が株主から相次いで上がった。環境保全をめぐって同社と静岡県が対立し、工事が遅れているためで、沿線地域との連携に疑問を投げかける株主もいた。
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株主総会には昨年より1割強少ない604人が出席した。「工事計画が予定通り進んでいるのか気になる。静岡県との協議は実際のところどうなっているのか」。質疑では冒頭からリニアについて質問が投げかけられた。中央新幹線推進本部長である水野孝則取締役は「この状態が続けば開業時期に影響を及ぼしかねない」と懸念を示したが、「できる限り早くトンネル掘削に着手できるよう取り組んでいきたい」と述べるにとどまった。
別の株主は「工事の最中に南海トラフ地震が直撃する可能性も考えられる。工事見直しや中止を考えていないのか」と質問。水野氏は「地下の構造物は地上と比べ、地震に対し非常に安定的である特徴を持っている」などと説明し、被災した場合には東海道新幹線の復旧を最優先する考えを伝えた。
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