首都圏を中心に流行している風疹について、17の学会などでつくる予防接種推進専門協議会は7日、感染リスクの高い30~50代の男性を対象に予防接種の公費助成を求めるなどの要望書を根本匠厚生労働相宛てに提出した。東京五輪・パラリンピックがある2020年度までの「風疹排除」に向け、有効な対策を求めている。
厚労省によると、風疹患者はワクチン接種率の低い30~50代の男性が中心で、10月下旬までの今年の累計患者数は1692人。8週連続で100人を超す。
政府は、東京五輪が開かれる20年度までに風疹の流行を排除する目標を掲げるが、要望書は「このまま患者数が増加すれば、排除達成は困難」とした。その上で予防接種を実施するための予算確保や、ワクチンの安定供給のため製造業者に増産を依頼することを国に求めている。
風疹は、妊婦がかかると赤ちゃんに難聴や心臓病などの障害が出るおそれがある。ただ、妊婦はワクチンを接種できない。厚労省は、妊娠を希望する女性や妊婦と同居する家族に抗体検査とワクチン接種を受けるよう呼び掛けている。(黒田壮吉)