日本外科学会は11日までに、手術支援ロボットによる遠隔手術を行うための「遠隔手術実施推進委員会」をつくった。来月にも対象患者や手術の適応、安全性の確保などを定めたガイドライン作りに着手し、年度内に方向性をまとめる。並行して実際の患者を対象とした臨床研究の準備を進める。
遠隔手術は、高度な技術を持った医師が数本のアームを持った内視鏡手術支援ロボット「ダヴィンチ」で、遠隔地にいる患者の手術をする。全国どこにいても質の高い手術が受けられるようになることが期待されている。
9日の理事会で委員会の設置が決まり、委員長には学会理事長の森正樹・九州大教授が就いた。8月にも具体的な議論を始める。法律や生命倫理の専門家や関係省庁、通信事業者、ロボットメーカー、他学会などから意見を聴き、ガイドラインをまとめる。並行して、患者を対象とした臨床研究の準備も進める。年度内にも動物などで安全性や技術面の確認をする。その上で、患者に同意を得て実際に手術をして実証する。(姫野直行)