リハビリ以外に有効な治療法がない脊髄(せきずい)損傷。iPS細胞などを使った再生医療への期待は高い。
iPSで脊髄損傷治療、慶大が承認へ 来夏にも臨床研究
けがや交通事故などで毎年5千人ほどが新たになる脊髄損傷は首や背中など起きた場所によって手や足がまひする。運動や感覚が失われた完全まひだと、半年を過ぎて改善しないと自然回復は極めて難しい。損傷部を修復する治療法は確立されておらず、リハビリでわずかに残る機能の回復を目指すより手立てがない。
体に装着したロボットで筋肉を動かそうとする際に皮膚に生じる電気信号を読み取り、動きを補助するものなどもあるが、「損傷が一部で運動や感覚の機能が残っているのが前提。あくまでもリハビリの一環であり、完全まひを根本的に治すものではない」と日本脊髄障害医学会の島田洋一理事長(秋田大教授)は指摘する。
それだけに全国脊髄損傷者連合会の代表理事の大浜真さんは「手や足が少しでも動かせるようになるだけで生活は大きく変わる」と再生医療に期待する。
2010年に米国でES細胞(…