カンボジアの旧ポル・ポト政権下の大虐殺を裁く特別法廷は16日、イスラム教を信仰する少数民族チャム族とベトナム系住民を虐殺した罪で、旧政権序列2位で元人民代表議会議長のヌオン・チア被告(92)と、同5位の元国家幹部会議長キュー・サムファン被告(87)に対し、最も重い終身刑を言い渡した。
両被告は、市民の強制移住や処刑など「人道に対する罪」を問う裁判でも、16年に終身刑が確定している。1998年にポル・ポト元首相が死去し、チア被告が存命する最高幹部。
75年に実権を握ったポル・ポト政権は、極端な共産主義政策のもと知識層らを農村に強制移住させ、強制労働や拷問、虐殺をくり返した。79年の政権崩壊までに病死や餓死も含め人口の2~3割にあたる約170万人が犠牲になったとされる。(ハノイ=鈴木暁子)