首都圏を中心に流行している風疹で、今年に入ってからの患者数が2千人を超えた。直近1週間(5~11日)の患者数も10週連続で100人を超えた。国立感染症研究所が20日、発表した。大阪や福岡など首都圏以外でも患者が増えている。
感染研によると、直近1週間の患者数は139人。最も多いのは東京で54人。次いで神奈川25人、福岡15人、大阪13人、埼玉11人、千葉9人と続く。今年に入ってからの患者数は計2032人となった。
風疹はウイルス性の感染症で、くしゃみやせきなどのしぶきでうつる。妊娠初期の女性がかかると、赤ちゃんに難聴や心疾患などの障害が出るおそれがある。発熱などの症状を和らげる対症療法以外に治療法はなく、ワクチンで感染を防ぐほかない。
妊娠中は予防接種が受けられないので、女性は妊娠の2カ月前までに済ませておく必要がある。今年の風疹患者の多くは働き盛りの30~50代男性だ。この世代は予防接種の制度変更の影響で、抗体保有率が低い。
感染研では、風疹にかかったことがない人や、ワクチンを受けていない人はワクチンを接種するよう呼びかけている。(水戸部六美)