圧倒的な音楽の力が客席を包み、物語に引き込む。「オペラ座の怪人」が原作のミュージカル「ファントム」が、高い歌唱力を誇る雪組トップコンビ望海(のぞみ)風斗(ふうと)と真彩(まあや)希帆(きほ)によって、美しく強くよみがえった。望海にとって念願の作品でもある。
主人公はパリ・オペラ座の地下に潜むエリック。醜い素顔を仮面で隠し、「ファントム」と呼ばれている。彼が歌姫クリスティーヌを愛し、悲劇が起こる。
宝塚では7年ぶり4度目の上演。新しくなった装置と、韓国ミュージカルなどで活躍するチョン・ジェジンの斬新な映像で、雰囲気が一新された。潤色・演出の中村一徳は「さらに内面の見える『ファントム』にしようと考えた」という。
エリックは、望海にとって「ず…