セブン―イレブンのサラダ向けの野菜を来年からつくる神奈川県内の「野菜工場」が28日、報道関係者に公開された。外部と遮断された工場内ではLEDの光でレタスを栽培し工程も自動化。畑より収穫までが短期間で済む。天候に左右されずに食材を安定生産できる仕組み。他のコンビニでも工場でつくった野菜を使う動きが出ている。
工場はセブン―イレブン・ジャパンなどが出資する食品製造会社、プライムデリカが運営する「相模原ベジタブルプラント」(相模原市)で、来年1月に稼働する。
栽培時にはLEDの光をあててビタミンCの含有量を増やす。産業機械大手の安川電機(北九州市)の協力で工程も自動化。フル稼働時の人員は一般的な野菜工場の約4分の1になる。露地栽培では種まきから収穫まで60~70日かかるが、工場では40日弱。ホウレン草やパクチー、イチゴの生産にも挑戦していく。
投資額は約60億円で延べ床面積は7872平方メートル。当面はリーフレタスを1日300~400キログラム生産する。20年春ごろにフル稼働し、想定ではリーフレタス換算で1日約3トンの生産能力を持つ。この工場の野菜をつかった商品は神奈川県や東京都の一部の約2千店に並ぶ。
セブン―イレブン・ジャパンによると、近年は天候不順で野菜の品質悪化や価格上昇などの悪影響が出ている。工場なら天候や気温に左右されず安定して収穫でき、無農薬栽培も可能だ。セブンの古屋一樹社長は「国内の農業従事者が減り、異常気象で安定供給もはかれず危機感を持っていた。今回の工場は第一歩で期待している」などと語った。(末崎毅)