愛知高速交通が運営する東部丘陵線(リニモ)で30日、八草発藤が丘行き上り列車(3両編成)が走行中に相次ぎ故障し、長久手古戦場―杁ケ池(いりがいけ)公園間で2度にわたり緊急停止した。乗客計約40人は車両内にそれぞれ1時間前後閉じ込められたが、体調不良を訴える人はいなかったという。
同社によると、30日午前5時40分ごろ、同区間を走行中の始発列車が緊急停止。午前9時10分ごろには別の列車が緊急停止した。車両の床下にある電源装置の故障などが原因とみられるという。車両の故障を受け、同社が電気供給を強制的に止めたため、いずれの故障時も全線で一時運転を見合わせた。
緊急停止した際、車内の乗客には本社の運転指令室から車内放送で状況が伝えられた。原則無人自動運転だが、始発列車には係員が乗り合わせていた。係員が手動操作で車両を動かそうとしたがうまくいかず、後続車両に連結して杁ケ池公園駅まで移動し、乗客を降ろした。2度目の緊急停止時には、停止車両に係員が乗り込み手動操作で移動させたという。
午前10時半ごろ全線で運転を再開した。上下40本が運休するなどし、約7500人に影響があった。同社が故障原因を調べている。
リニモは愛知万博開催を契機に2005年に開業した。実用路線では日本初の磁気浮上式リニアモーターカー。