受刑者に「軍隊式」の行進をさせるのは人権侵害にあたるとして、愛知県弁護士会は7日、名古屋刑務所(みよし市)に是正を勧告した。
勧告書によると、名古屋刑務所は受刑者を集団で移動させる際、職員のかけ声に続いて「1、2」と大きな声で復唱する▽腕は前60度、後ろ30度の高さまで上げる▽全員で歩調を合わせる、などの規則を定めている。従わなければ懲罰の対象となるため、勧告書は「受刑者の自己決定権を制約している」と指摘した。
2016年に男性受刑者から人権救済の申し立てがあり、県弁護士会が調査していた。同様の行進をさせている刑務所は他府県にもあるといい、これまで大阪弁護士会や福岡県弁護士会なども是正勧告を出している。(井上昇)