渥美半島の先端、愛知県田原市の恋路ケ浜にある観光スポットで、四つ葉のクローバーの植栽がごっそり取られ、地元の人たちが3日、植え直した。1人1本は摘み取れるが、半月ほどで跡形もなくなったという。
幸運を呼ぶと言われる四つ葉のクローバー。自営業者らでつくる伊良湖岬観光協議会などが恋愛成就の観光スポットとして売り出そうと、2014年10月に約4平方メートルの植栽を造った。すぐ近くにはプロポーズが似合う場所として認定された「恋人の聖地」もある。今年4月にはテレビ番組で紹介され、全国から四つ葉のクローバーを探す人が訪れるようになったという。
10年前から四つ葉のクローバーの株分けや栽培に取り組んできた田原市職員の折戸裕美さん(45)は「恋人が集う聖地で、盗難に遭うのは残念。まるで『幸せ泥棒』。幸せを独り占めしようとせず、ルールを守って、みんなが幸せになってほしい」と話す。
協議会長の清田茂之さんは「約2週間で跡形もなくなった。だれかがスコップを使って大量に持ち去ったのでは。こんなことは初めて」と憤る。9月中旬にクローバーの大量の持ち去りに気づき、園芸店の協力を得て植え直した。
清田さんは、近くで飲食店を営み、観光客から「四つ葉のクローバーを探しに来た。どこにありますか」と尋ねられるようになり、早く復元しなければと思っていたという。
四つ葉のクローバーが「復活」し、朝早くから家族連れやカップルが次々と訪れた。名古屋市から親子3人で来た観光客は「ひどいことをする人がいると知って、びっくりしました。四つ葉のクローバーが見つかって良かった」と喜んでいた。(連勝一郎)